ネタの最後に笑わせる「オチ」の付け方

ネタの最後の終わらせ方が良くなければ、それまでどれだけ面白かったネタでさえも評価が下がってしまいます。
だからこそ「オチ」は、しっかり作らなければなりません。
「オチ」とはネタのストーリーの最後に面白さを発生させて観客の笑いを誘いつつ、ネタを終えるボケの部分です。

はじめに


当ブログでは「落ち(おち)」を「オチ」と表記しています。
一般的に「フリ」「ボケ」「ツッコミ」はカタカナ表記を使用されることが多いため、文字の表記をそろえたほうが見栄えが良いだろうということで、「落ち」を「オチ」と表記しています。

オチの作り方


価値の積み上げ
ネタの序盤は理解しやすいボケを行い、中盤から終盤にかけて意外性を強めていき、オチの部分でそれまでの流れの中で一番極端なボケをする。
あまりにも大げさなことを言うため観客には面白さが伝わりにくいので、しっかりとボケをひねるかツッコミを入れて笑いを誘いましょう。

価値の落差
ネタの序盤は伝わりやすいボケを行い、中盤から終盤にかけて意外性を強め、オチの部分でそれまでの流れの中でギャップが生まれるボケをする。
それまでの流れにギャップをつけていることが観客に伝わりにくいこともあるので、しっかりとボケをひねるかツッコミを入れて笑いを誘いましょう。

価値の入れ替え
ネタの序盤から終盤にかけて一定の流れを作り、オチの部分でそれまでの流れの中で価値を入れ替えるボケをする。
上下関係(優劣関係)があるような価値(やり取り)を作り、最後に立場逆転(形勢逆転)や同列関係にさせる対照的な二つの価値を作りましょう。

価値の一致
ネタの序盤から終盤にかけて一定の流れを二つ作り、オチの部分でそれまでの流れの二つの価値が一致するボケをする。
別々の価値(やり取り・人物など)を作り、最後の最後で同一となる価値を作りましょう。

展開の繰り返し(天丼)
ネタのどこかで行った発言や行動、展開を再び使う。
まず、ネタの途中でボケて笑いを誘い、次にオチの部分で先ほど使用したボケとまったく同じボケをする。
観客は先ほど使った同じボケを使っていることに気付くことで面白みを感じます。

展開のつながり(伏線)
なんらかの発言や行動、展開をあとあとの話につなげる。
まず、ボケで笑いを誘い(※面白みがなくとも、なんらかの発言や行動、展開でもOKです)、次にオチの部分で先ほどのボケ(or 発言や行動、展開)が原因で問題を発生させるボケをする。

ボケる
以上までは「ネタの流れを利用したオチの作り方」を紹介しましたが、特にネタの流れを意識せずにボケてオチを作る方法もあります。

ネタの最後の作り方


起承転結を感じ取らせる
ネタ全体を「起承転結」に分け、「転」になったことを観客に感じ取らせます。
話の始まりである「起」、話を進展させる承」、そしてそれまでの展開とは明らかに違った雰囲気を出すことで「転」を作り出します。
その「転」の展開のあとにボケることで、「結」であるオチだと観客に気付かせることできます。
ただしネタが「転」になったことを認識できる「ストーリー展開に慣れた観客」にしか伝わりません。

話の本題に戻る
ネタの最初(起承転結の起)でテーマを投げかけておき、ネタの最後でもう一度テーマを振り返ることで「結論」的な展開を作ります。
例えば、「(起)みんなが憧れる職業になりたいと思いまして」 ≫ 「(結)結局、お前のやりたい仕事はなんだったんだよ?」といった感じで、ネタの最初に投げかけたテーマを最後でまとめ上げます。

終了の前フリを入れる
ネタの最後で、「これで最後になります」など、次のボケ(ネタ)が最後だということ事前に観客に伝えます。

終了のセリフを言う
ネタの最後に終わりを告げるセリフを言います。
漫才では「もうええわ」「やめさせてもらうわ」など、終わりのセリフがあります。

フィニッシュを決める
決めゼリフ・決めポーズなどで「ここで終わり」と伝えます。
※決めゼリフ・決めポーズが世間に定着すれば、「ギャグ」として扱われます。

口調を変える
それまでとは違う「口調(話し方)」にすることで変化をつけて終わりを伝えます。
  • 大きな声で言う「布団が吹っ飛んだ」 ≫ 「布団が吹っ飛んだぁっ!!」
  • 声を荒げる「布団が吹っ飛ぶだろーがっ!」
  • イントネーションを工夫する「布団が、吹っ飛んだ。」
  • 言葉を伸ばす「布団が吹っ飛んだ~~~!」

暗転させる(+音響)
舞台を暗くしたことで終わりを伝えます。
※また明るくなるかもしれないと観客に勘違いされるかもしれません。
※照明設備や照明係が必要です。

音響を入れる
音響(ナレーションやBGM・効果音)で終わりを伝えます。
※ピン芸やコントでは自分で楽器を鳴らして終わりを伝えることができます。
※音響設備や音響係が必要です。

舞台袖に戻る(+暗転)
舞台袖(そで)に戻ることで終わりを伝えます。(※舞台袖とは、観客から見えない場所)
※舞台に戻ってくるかもしれないと観客に勘違いされるかもしれません。
※芸人が幕の後ろに隠れられる場所(舞台袖)が必要です。

舞台袖に戻る+音響を入れる(+暗転)
舞台袖に戻ったあと、音響(ナレーションやBGM・効果音)で終わりを伝えます。
※各設備や係りが必要です。

オチに見せかける


「オチをつけた」と観客に思わせておき、さらにネタを続ける方法があります。
例えば漫才の場合は、「どうもありがとうございました~(※頭を下げる)。…でね、こないだなんだけど…(※まだ続けようとする様子に、相方がたまらずツッコミを入れて終わらせる or その後、ネタを続けて何度もネタを終わらせようとするやり取りを繰り返して笑いを誘う)」。

コントの場合はオチをつけたあと、舞台を暗くしてからナレーションやBGMなどでさらにオチをつけることができます。
また、舞台袖に一旦戻って終わったと観客に思わせておいてから、舞台に戻ってきてオチをつけることができます。

注意としては、ネタが終わったと思った観客から拍手が起こり、続けようとするネタ(セリフ)と重なる恐れがあります。

ドラマチックな展開


コントやピン芸の場合は必ずしも「(最後で)笑いを取らなければならない」とは限りません。
そこにドラマチックな展開が待ち構えていたら、観客は満足します。
もちろん要所要所で笑いを取ることが必要ですが、ときには感動や恐怖を作り出すのもアリでしょう。
(ネタを複数見せるうちの一つとして変化球的に行うと効果的でしょう。とはいっても、最後はツッコミで笑いを取り、お笑いらしく終わるとよいでしょう。)

オチはボケなのか?ツッコミなのか?


オチというと、一般的に「ストーリーの最後の面白みがある部分」を指しています。
漫才の場合、やり取りの形式的にはツッコミのセリフが最後になります。
では、漫才においてオチに当たるのは最後のツッコミなのでしょうか?

例えば、「いいかげんにしろ(、どうもありがとうございました~)」というセリフ。これがオチに思えるでしょうか?
では、ボケがオチなのでしょうか?
漫才ではボケだけでは笑いが起きにくく、その後のツッコミで笑いが起こりやすいです。
ですので、笑いが起こらなかった部分を「オチ」とするにはどうしても違和感が残ります。

話をややこしくしている原因はボケとツッコミのやり方にあります。
ボケは、「面白みが伝わりにくいもの(※ツッコミを入れて初めて笑いが起こる)」と、「面白みが伝わりやすいもの(※ツッコミを入れなくても笑いが起こる)」の二種類あります。
一方、ツッコミも「普通のフレーズ(※「なんでやねん!」のような普通のセリフ)」と、「面白みのあるフレーズ(※ボケ的なセリフ)」といったように、ツッコミも二種類あります。

ボケ方やツッコミ方によって笑いが起こる場所が違い、「面白みがある部分」がネタの構造(セリフ)によって違います。
コントでも最後にツッコミを入れて笑いを誘うこともあるので、これまたややこしい話になります。

そもそもは「ストーリーの最後の面白みの部分をオチ」とするお笑いの形式を漫才に当てはめると、流れ的にはツッコミで笑いを誘うのが最後になるので、「笑いを取った最後のツッコミ = オチ?」という疑問が生まれるわけです。
漫才はボケが極端な発言で意味が伝わらなくてもツッコミで笑いを取る形式なので、「笑いを取れなかった最後のボケ = オチ」より「笑いを取った最後のツッコミ = オチ」のように思えてしまうのです。

結局どっち?ということなんですが、お笑いの形式を正しく当てはめるとしたら?
非常識的・非現実的な発言が「ボケ」で、それを正すのが常識的・現実的な発言の「ツッコミ」なので、「オチ = 面白みのある発言(※結果ではなく意味)」という形式であれば、「笑いを取れなかった結果だとしてもおかしな発言を行った最後のボケ = オチ」とするのが本来なのかもしれません。

最近のお笑いネタの進化によって「面白みのあるボケ的なツッコミ」という革新的な笑いの誘い方が生まれた結果、漫才においてオチに当たる部分がどこなのかがややこしくなったことが疑問の原因だったのかもしれません。

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