漫才ネタの作り方

2人で面白さを織り交ぜながら会話をする「漫才」の作り方を詳しく紹介!テレビで見かけるプロの漫才師のやり方を細かくまとめてあるので、コンビで漫才師を目指す人は必見です!

1. 立ち位置に移動する


舞台の周辺で待機しておき、タイミングを合わせて舞台の中央へ移動し、立ち位置につく

待機の仕方
  • 観客から見えない場所(幕や間仕切りの裏、通路など)
  • 観客から見える場所(舞台の端)
  • 舞台の中央(※始めからネタをする場所にいる)
※舞台の下手側・上手側・奥から、客席の横・後ろから。また、コンビで同じ場所から・コンビで別々の場所から(※下手と上手で分かれて)など、立ち位置への移動には様々な方法があります。

タイミングの取り方
  • 「出囃子(でばやし)」というBGM(音楽)が聞こえてきたら
  • 誰か(仕切り役・スタッフ)の合図が出たら
  • 自分たちでタイミングをとって

ちなみに、「出囃子」とは、漫才を行うイベント、もしくは登場する芸人のイメージに合わせて会場を盛り上げる入場曲です。
漫才の大会「M-1グランプリ」で例えると、芸人の登場に合わせて流れるやつです。
(Fatboy Slimというミュージシャンの「Because We Can」という曲が使われているのですが、ノリが良くて一度聴くと癖になります!)

移動の仕方
  • 足(足早に移動する)
  • 手(拍手をしながら移動する。または観客に対して手を振りながら移動する)
  • 声(「ど~も~!」など観客に対して声をかけながら移動する)
※「移動の仕方」についてはお好みでアレンジしてください。
※上記の「移動の仕方」をすると、芸人が明るく元気があるように見せられ、観客から好感を持たれる効果があります。また、芸人の明るい雰囲気で観客の緊張感がほぐれ、笑いが起こりやすい状況を作り出すことができます。
※テンションを上げないクール(冷静)な芸風で漫才をする場合は、「足早に移動する」だけの控えめな登場の仕方にするといいでしょう。
※もし自分たちに芸風(キャラクター)があれば、それに合った登場の仕方にすると、個性(※他の出演者との差別化)が出せます(※変な入場の仕方をすると、「漫才らしくない」と注意・批判される恐れがあります)。

立ち位置の種類
  • センターマイク(床から立てられた棒の先にマイクが付いたもの※センターマイクの高さが調整できる場合は、自分たちの口元に高さを合わせる)
  • ばみり(出演者が舞台のどのあたりに立つのか分かるようにするために、床に貼られた目印となるビニールテープ)
  • 目測(舞台や客席の位置関係を見ながら立つ位置を計算)
※立ち位置の場所については、事前にイベント関係者から指示があると思うのでそれに従ってください。

2. 挨拶・自己紹介・お辞儀をする


立ち位置に移動したら、挨拶をする

  1. 「(はいっ!)(ど~も~)(よろしく)お願いしま~すっ!」
  2. 「○○(※コンビ名)ですっ!」
※1のカッコ内の台詞はお好みで選んでください(※キャラクターに合わせた台詞にしても構いません)。
※1と2のどちらを先に言っても構いません。つまり、「1≫2」でも「2≫1」のどちらの順序でも構いませんし、混ぜて言っても構いません。
※この挨拶の時に、「つかみ」を入れることができます。

3. 観客に絡む


挨拶などが終わったら、観客に話しかけます。
この「観客に絡む」は無くても構いません。
時間の短いネタ(ショートネタ)をするときは、無駄に時間を取ります。また、観客に絡むのは良くないと思う人がいるので、絡んでいいかどうかはお笑い学校や所属事務所、ネタを行うイベント関係者などに聞いてみるといいでしょう。

自分たち
観客に対して自分たちの自己紹介をする(※観客に知ってもらう)。
例: 「こっちの日本人風が○○。で、こっちのアジア人風なほうが○○です。忘れないうちにメモって下さいね」

観客
観客をイジる(※観客に興味を持つことで、嬉しさを与える)。
例: 「お客さん、テンション高すぎるわ!最後のほう、疲れて寝てしまうって」

舞台裏
観客の知らない話を披露する(※観客の知的好奇心をあおる)。
例: 「楽屋に昼食として、おにぎりと缶コーヒー。組み合わせおかしいでしょ」

会場内・外
観客の知っている状況をイジる(※観客が知っている「状況あるあるネタ」をする)。
例: 「この会場、天井が低っ!ジャンプしたら頭あたるやろ。誰かあたらなかったですか?」

時事
観客が知っている話題・知らない話題を披露する(※観客の知っている「時事あるあるネタ」をする・観客の知らない時事ネタで驚きを与える)。
例: 「さっき、俳優の○○が結婚発表したって。でも僕はみなさんのものですよ」


4. ネタの最初の部分


主に、以下のような感じで話し始めます。

疑問・質問
分からないことを聞く。
1. 疑問(自分で思う), 2. 質問(人に尋ねる)
例: 「1. 女子の気持ちってわからないわ~。2. お前は、女子が○○なときって知ってる?」

悩み・不満
困っていること相談する。
1. 悩み(個人的な問題), 2. 不満(社会的な問題)
例: 「1. 最近、○○が壊れたから買い換えようと思って。2. 欠陥品の自主回収ってあるじゃないですか?」

主張・願望
自分の思いを語る。
1. 主張(現在形の思い), 2. 願望(未来形の思い)
例: 「1. 最近の男子はダメですね。2. だから、俺は○○になりたいな~と思いまして」

エピソード・シミュレーション
体験談を話す・演じる, 体験したい事を演じる
1. エピソード(過去形), 2. シミュレーション(現在系・未来形)
例: 「1. この前、○○に行ってきまして。2. そこで見かけた○○をしてみたいな~」

以上、切り出した話に対して、「聞く」「教える」「意見を言う・持論を語る」「一緒に演じる」「一緒に考える」「知っているフリをする」などで対応します。
ほかにも話の切り出し方・対応の仕方があると思うので、いろいろ考えてみてください。

もし漫才中にコントを行う場合は、以下の「5. 相方をコントに誘う」につなげます。
ちなみに、漫才中にコントを行うことを「コント漫才」と言います。

5. 相方をコントに誘う


「○○をやってみたいんだけど」と言い、相方をコントに誘います。

  • 相方をコントに誘う台詞は無しにして、例えば「コンビニ店員って難しいよね」というような「印象的なこと」を言い、(※コンビで立ち位置を離してから)コントを始める方法もあります。
  • 相方をコントに誘う時に、「コンビニ店員をやりたい」というような「簡単なテーマ」を言うか、もしくは「お客に絡まれてパニックになっているコンビ二店員をやりたい」というような「具体的なテーマ」を言う方法もあります。
  • 一方が話している最中に、話のテーマに合ったコントを突然始めて相方(+観客)を戸惑わせる、というやり方もあります。
  • ネタの途中で急にテーマを変えると、話が盛り上がってきた流れが途切れるので、おすすめしません。ただし、いろいろなテーマを列挙していくネタは例外です。
  • ショート(※1~2分ぐらいでする)ネタの場合は、時間に余裕がないので、舞台に入ってきてからコントを始めるまでの時間を短くしたほうがいいでしょう。
  • ナイツさんのように「トークのみで漫才をする方法」もあります。
    コントをせずにトークのみで漫才をする方法を「しゃべくり漫才」と言います。

6. 漫才中のやり取りの仕方


話を進める台詞を基本として、そこに相方への反応やフリ・ボケ・ツッコミを入れる。

ちなみに、相方のボケに対してツッコミを入れる時に、相方の頭をたたくと、「視覚的な面白み」を付け足すことができ、見た目のインパクトから面白さが増します。
ただし頭という大事な部分をたたくので、ひどいことをしているという風に見る人もいます。
また、男性に比べて女性の場合は、頭をたたく行為がかなりひどい印象に見えます。
もし頭以外の場所でたたくとしたら、肩あたりを叩く方法があります。
ちなみに、コンビ間で叩いたり蹴ったりなどをする漫才のやり方を「どつき漫才」と言うのですが、観客によっては嫌な思いをさせることがあります。

7. 漫才の終わり方


ボケ担当が行うオチのボケ(ネタの最後のボケ)に対してツッコミ担当は「もういいよっ!!」 or 「いいかげんにしろっ!!」 or 「やめさせてもらうわっ!!」とツッコミを入れ、その後「どうも、ありがとうございました~」と言いながらお辞儀をして終わる

※オチのボケへのツッコミの時に、ツッコミ担当がボケ担当の胸を手の甲でたたく動作をしても構いません。
※舞台の中央(最初の立ち位置)から離れたところでオチをつけてネタを終えると、最後の見た目が良くありません(※できれば二人そろって中央で終えましょう)。
※漫才が終了した後の行動は、事前にイベント関係者から指示があると思うので、それに従ってください。
  • 舞台から退場する
  • 仕切り役の人と会話する
  • そのまま舞台上でイベントに参加する

以上、これで漫才の一通りの流れはつかめたはずだと思います。

ネタの設定タイプ


しゃべくり漫才
おしゃべりだけでネタをします。ネタの途中からコントをしないうえ、キャラクターを付けません。
芸人は観客と同じ空間に存在し、観客に対して何かを話すのが「しゃべくり漫才」です。
例: ミキ(現実的な人物像に沿ってやり取りする。相方・コンビに関わることなど)
例: ナイツ(現実的なテーマに沿ってやり取りする。時事ネタ、知名度のある事象、一般的な事象など)
例: ますだおかだ(想像上のテーマに沿ってやり取りする。会話でシミュレーションなど)
※要するに、話の対象がどこにあるのか?の違いです。舞台上(ミキ・昴生)≫世間(ナイツ・塙)≫想像上(ますだおかだ・増田)。

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キャラ漫才
キャラクターを付けながらネタをします。
芸人は観客と同じ空間に存在し、観客に対して何かを話すときにキャラクターを付けながら話すのが「キャラ漫才」です。
例: オードリー(芸人として普段から活動している衣装・メイク・口調・人間性などのキャラを活かしながらやり取りする。)
例: 髭男爵(※芸人として普段から衣装・メイク・口調・人間性・世界観などのキャラを付けながらやり取りする。)
例: チュートリアル(ネタの時だけ口調・人間性などのキャラを付けながらやり取りする。)
※要するに、キャラの付け方はどこからなのか?の違いです。普段から個性的な人物(オードリー・春日)≫普段から個性なキャラ(髭男爵)≫ネタ中のみ個性なキャラ(チュートリアル・徳井)。

コント漫才
ネタの途中からコント(キャラクターや世界観を演じる)に入ります。
芸人は観客のいる世界とは別の世界を舞台上に作り出し、ストーリーを演じるのが「コント漫才」です。
例: 霜降り明星(テーマに沿って一方だけがコントを行い、もう一方は現実的な目線でやり取りする。)
例: NON STYLE(テーマに沿って二人でコントを行い、一方が現実目線で劇を正しく行うよう修正しながらやり取りする。)
例: サンドウィッチマン(テーマに沿って二人でコントを行い、劇中だけでやり取りする。)
※要するに、コントの世界から一方がどれくらい離れるのか?の違いです。一方はコントに一切入らない(霜降り明星・粗品)≫一方は一時的に現実に戻る(NON STYLE・井上)≫一方も現実に戻らない(サンドウィッチマン・伊達)。

ネタの担当タイプ


通常
一方がボケて、もう一方がツッコミを入れながら、コンビ間で会話をしながら流れを作る
  • 例: 会話≫フリ≫ボケ≫ツッコミ≫会話…
  • 例: 会話≫ボケ≫ツッコミ≫会話…

一方通行
一方がボケて、もう一方がツッコミを入れるが、コンビ間で会話をせずに一方的な流れを作る
ボケ担当とツッコミ担当が会話をしません(※テーマの導入部分や最後などは会話をします)。
  • 霜降り明星: ボケ≫ツッコミ≫ボケ≫ツッコミ…
  • ナイツ: ボケ≫ツッコミ≫ボケ≫ツッコミ…
  • ハライチ: フリ≫ボケ≫フリ≫ボケ…

共同制作
二人ともボケる(「Wボケ」)、二人ともツッコミを入れる(Wツッコミ)など、二人で一つのボケやツッコミを作る
※ネタの個性が際立ちますが、やり方が特殊過ぎるので、似たやり方をするとパクリと思われたり、漫才の大会に出場すると「漫才ではない」と否定的な意見を言われる可能性があります。
  • ジャルジャル: ボケ≫ボケ
  • マシンガンズ: (ボケに近い)フリ≫(ボケに近い)ツッコミ

交替
一方がボケて、もう一方がツッコミを入れながら、コンビ間で担当を交替しながら流れを作る
※ネタの個性が際立ちますが、やり方が笑い飯さんに似るので、パクリと思われて否定的な意見を言われる可能性があります。
※ジャルジャルさんのネタも担当を途中で交替していますが、形勢逆転的な展開での交替です。
  • 笑い飯: Aがボケ≫Bがツッコミ≫Bがボケ≫Aがツッコミ…


テクニック


ネタのタイプ
  • 毀損(他者に対して良くない価値を与える発言や行動をする。もしくは結果になる。)
  • 落差(一般的に良くない価値を招く発言や行動をする。もしくは結果になる。)
  • 逆転(一般的な良し悪しの価値とは逆の発言や行動をする。もしくは結果になる。)
  • 屈折(一般的な価値に合わない対象にこだわる発言や行動をする。もしくは結果になる。)
  • 規則(明示・暗示した価値に沿った発言や行動をする。もしくは結果になる。)

ボケを作り出す方法
  • 迷惑(他者が悪くなるような発言や行動をする)
  • 疑問(謎な発言や行動をする)
  • 意外(流れに逆らう発言や行動をする)
  • 曲解(屁理屈な発言や行動をする)
  • 条件(条件に合った発言や行動をする)

ボケへの反応
  • 困惑(理解不能)
  • 疑問(理解できずに尋ねる)
  • 否定(相手に合わせない)
  • 訂正(納得できずに修正する)
  • 了承(理解可能)
  • 質問(理解したうえで尋ねる)
  • 迎合(相手に合わせる)
  • 解説(納得したうえで説明する)

※以上、M-1グランプリの決勝戦進出者のネタは、上記のそれぞれのどれかに当てはまると思います。といっても、M-1グランプリに限らず漫才であれば当てはまると思います。

漫才の大会に関する情報


「M-1グランプリ」に関する情報のリンク集。

面白い漫才ネタを作るには?


まずは、基本をしっかりと覚えましょう。
基本を身に付けさえすればネタを調節・修正したり、バージョンアップさせることができるようになるので、ネタ作りの効率が上がります。

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また、観客を爆笑させるには「人をひきつける個性」と「思わず笑ってしまう“ひねり”」が必要なので、それができれば人気者になるのは間違いなしです。

漫才はコンビでの言葉の掛け合いのテンポや間が非常に重要なので、台本が出来上がったら何度も練習をするようにしましょう。
(話し手をテンポ良く交代するとレベルが高く見えます。また、相方が話している最中に話しかけると、本当の会話のようなリアリティが生まれます。)
棒立ちにならない、棒読みにならない、噛まない、台詞を忘れないよう、舞台でネタを披露する直前まで練習を重ねましょう。

もし有名な漫才師のネタで勉強・研究をするのであれば、アンタッチャブルさんやパンクブーブーさんのネタがおすすめです。
また、M-1グランプリの歴代優勝者のネタも必見です。

アンタッチャブルさんやパンクブーブーさんの漫才は標準的なやり方なので、ネタを作ったことのない初心者の人から基礎を振り返りたいベテランの人まで、漫才を学ぶにはうってつけのコンビです。