セリフの表現力を高める吹き出しの書き方

漫画でセリフ(台詞)を表現する吹き出しの書き方についてまとめています。

吹き出しを書く位置


枠線内
吹き出しを枠線内(コマ枠内)に入れます。
通常の書き方です。

枠線上
吹き出しを枠線上(コマ枠)にかぶせます(※吹き出しがかぶっている部分の枠線は書きません)。
吹き出しを枠線上にかぶせることで読者の視線を誘導したり(※枠線にかぶっている吹き出しに注目を集める)、セリフのインパクトを出したいとき(※枠線内におさまりきらない視覚的な衝撃)に使います。
コマ枠内に吹き出しを書くと、キャラクターや背景などの絵と混ざり埋もれますが、コマ枠の上に吹き出しがあることで目立ち、読者の視線が集まりやすくなります。

他の吹き出しの上
一方のキャラクターの吹き出しをもう一方のキャラクターの吹き出しの上にかぶせることで、セリフが押し合いになったり(※もう一方の文字にはかぶらないようにしながら吹き出しの線上に少しかぶせる)、セリフを抑え込む(※もう一方の文字を隠すように大きくかぶせる)ように使います。
他のキャラクターと対立していたり、邪魔をしているなどの表現ができます。

隠したい部分の上
読者の目に触れさせたくない部分(絵や文字など)に吹き出しをかぶせることで、表現的に問題のある部分を隠すことができます。
例えば、セクシーな表現を自主規制するときなどに使えます。
また、吹き出しで隠すことで、何が描かれているのかを読者に気にならせることで興味を引くことができます。
例えば、謎を作り出したい部分や性的な部分など、絵や文字にキャラクターの吹き出し(発言)をかぶせることで、読者に「この部分を見たい!」と思わせられます。

吹き出しのしっぽ


誰が話しているのかを読者に示すために、吹き出しの枠からとんがりが出ている部分のことです。

しっぽが一つ
キャラクターに向かってしっぽを一つ書きます。
平常心で話しているときに使います。

しっぽが二つ
キャラクターに向かってしっぽを二つ書きます(※鳥のくちばしみたいに書きます)。
少し驚き(※興奮気味)があったときに使います。
「はじけた感じ」の吹き出しを使うまでもないけど、平常心のセリフでもないときに使います。

しっぽが丸丸丸
キャラクターに向かっているしっぽを「○○。。」のように書きます。
頭の中で考え事をしているときに使います。

共用
一つの吹き出しのしっぽを複数のキャラクターに向かって書きます。
複数のキャラクターが同時に同じセリフを言うときに使います。

しっぽが内向き
本来、しっぽは枠の外に伸ばして書きますが、これを内側に伸ばして書きます。
その場にはいるけどコマの中のキャラクターとは違うキャラクターが話しているときに使います。
ただしその吹き出しが誰が話しているのかが分かる状況にする必要があります。

吹き出しの中身


書体
書体によってキャラクターの心境を表現したり、キャラクター性(※例えば、かわいらしさは丸い書体)を与えます。

文字サイズ
サイズによって心境を表現したり、声や音の大きさを表現します。

行間
文字を読みやすくするために文字と文字の距離を調節します。

文字数
吹き出し内で好まれる文字数。
※たくさんのセリフを書けば、多弁や早口という表現ができます。また、吹き出しを他者の邪魔をしているように書くと、圧力をかけているという表現ができます。
※ストーリーが面白ければ文字数が多くても好まれますが、ストーリーが面白くなければ文字数の多さが批判の対象となります。

角度
文字を横書きや斜めにすることによって心境や音の雰囲気を表現します。

理由
  • 他へ発する言葉(人物や機械など反応をもらうためや一方的な言葉)
  • 独り言・独白(誰もいない状況もしくは周囲にいる誰かいる状況で返事を必要としない言葉)
  • 考え事(頭の中で思っていること)
  • 反射(驚きや痛みなどで反射的に出る声)
  • ナレーション(展開の客観的な説明)

吹き出しの形


丸く
セリフや擬音などに使います。

はじける
大きな声・擬音、驚きなどに使います。
異常な展開(状態・状況)に使用します。

四角
ナレーション(語り手)、状況説明(※場所、時刻など)に使います。

その他
吹き出しの形は展開(状態・状況)に合わせます。
例えば、擬音に合わせた形にすると、読者に対して音を視覚的に表現することができます。

吹き出し無し
文字を囲む吹き出しの枠を書かずに文字だけにします。
キャラクターの心理(頭の中で考えている)や、メインのセリフ(吹き出し)を補足するセリフを表記します。

吹き出しを黒色
吹き出しの中を真っ黒にしつつ文字を白抜きにした吹き出しを作る、もしくは背景を真っ黒にして文字を白抜きにしたコマを作ることで、インパクトのあるセリフにできます。

顔入り
その場にはいるけどコマの中のキャラクターとは違うキャラクターが話しているときに、誰の吹き出しなのかを読者に分からせるため、枠の中に(ディフォルメ化した)顔を描きます。

絵入り
セリフ(文字)で説明せずに(ディフォルメ化した)絵を描きます。
例えば、猫の吹き出しに魚の絵を描き込めば「魚が欲しいにゃ」というような展開で使えます。

吹き出しの入力方法


描き文字
原稿に手描きで文字を描きます。

写植
プリントアウトした文字を原稿に貼り付けます。

印刷所
印刷所で文字を入れてもらいます。
※同人誌で入れると値段が高いので実用的ではありません。

お役立ち



読者対策


視線の誘導
読者の視線は右から左、上から下へ向かいます。
漫画を描く時は、読者が吹き出しを目で追う習性を利用してコマからコマへスムーズに読めるようにしましょう。
注意したいのは、吹き出しをテンポよく目で追う(流し読みする)読者は、絵を瞬間的にしか見ません。
しっかりと視線誘導しなければ、吹き出しを無視して読まれてストーリーが頭に入ってこないなんてことになります。
強調したい展開(絵)がある場合は、上を通るように視線を誘導しましょう。

注釈
セリフで使っている言葉などの中で、分かりにくい表現への補足情報を説明します。

対象年齢
絵本や漫画、小説の文章量を思い浮かべてもらえば分かる通り、子供は知識や理解力がないので文章が多いほど読むのが面倒に感じ、一方、大人は読解力があるのでしっかり読もうとしてくれるぶん文章量を多くしても読んでもらえます。
また、使用する漢字(ルビ付きにして対応)に気を配る必要もあります。
読者ターゲット(読んでもらいたい読者の年齢)を考え、セリフ(文章)を構成することをお勧めします。