漫画原稿を持ち込みしても採用されない理由

漫画を描いて出版社に持ち込んでもダメ出しされて採用されない理由は、もしかしたらコレかも?
いくつか理由を挙げてみます。

原稿を編集者に見てもらえる例


出版社に直接持ち込み
出版社に直接持ち込み、編集者に見てもらう※確実
※ダメ出しされる, 出版社に行く必要

出版社に郵送で応募
出版社に郵送で応募し、編集者に見てもらう※確実
※結果が出るまで待たされる(原稿が戻るまで待つ必要)

出版社が関わる漫画投稿サイトに投稿
出版社が関わる漫画投稿サイトに投稿し、編集者に気付いてもらう※やや不確実
※スキャナやペンタブレットが必要(パソコン・ネット知識や機材が必要)

コンテストに応募
コンテストに応募し、編集者に気付いてもらう※(やや不)確実
※必要事項は主催者の募集内容による

漫画家のシェアハウスに住み込み
漫画家のシェアハウス(「トキワ荘」)に住み込み、編集者に気付いてもらう※やや不確実
※家賃が必要, 物件に住む必要

漫画家のアシスタントに参加
漫画家のアシスタントに参加し、編集者に気付いてもらう※やや不確実
※プロ並みの画力が必要, 漫画家の作業現場に通う必要

漫画投稿サイトに投稿
漫画投稿サイトに投稿し、編集者に気付いてもらう※不確実
※スキャナやペンタブレットが必要

個人サイトや画像投稿サイトで公開
個人サイトや画像が投稿できるサイトで公開し、編集者に気付いてもらう※不確実
※スキャナやペンタブレットが必要

コミックマーケットに参加
コミックマーケットに参加し、編集者に気付いてもらう※不確実
※同人誌の作成費用が必要(+参加費用が必要, +会場に行って販売する必要)

インターネットで同人誌の販売
インターネットで同人誌(雑誌・電子書籍)を販売し、編集者に気付いてもらう※不確実
※サイト利用の手数料が必要

漫画制作の仕事を請け負い
漫画制作の仕事を請け負い、編集者に気付いてもらう※不確実
※トラブルに巻き込まれる恐れ(発注者の「抽象的な求め」に合わないとモメる)

漫画の専門学校・学科で作品を提出
漫画の専門学校・学科で作品を提出し、編集者に気付いてもらう※不確実
※授業料が必要, 学校に通う必要

雑誌掲載までの道のり


※雑誌以外に出版社が運営する漫画サイトに掲載する場合もあり。
  • 採用(雑誌に採用が決定。編集者と打ち合わせをして手直しする可能性あり。まずは読み切りで。好評であれば連載。不評であれば一から出直し)
  • 受賞(受賞が決定。賞や内容によって雑誌掲載。内容次第で受賞だけで終わって一から出直し)
  • 修正(採用は約束されないが、手直しするように言われる。内容が良くなれば採用。良くならなければ手直しするように何度も言われ、直らなければ見送られて一から出直し)
  • 注目(他の作品も見て見たいと言われる。内容が良ければ採用。イマイチであれば一から出直し)
  • 論外(画力やストーリーが雑誌に掲載できるレベルに達していない。少し直せば良いというレベル以前の問題で、数年は練習・勉強が必要)

※編集者の好みや雑誌の方向性など、採用には様々な影響を受けます。
一人の編集者に断られたからといってもあきらめずに複数の出版社に原稿を持ち込むと良いでしょう。つまり、原稿を応募した際に返却不可であれば致命的です。
ちなみに、インターネット上で漫画が好評になっていれば、編集者が思う採用基準を下回っているとしても採算が取れると見込まれて、書籍化や雑誌掲載の依頼が来ることがあります。

不採用の原因


画力が無い
画力に問題があるとすれば、作品を雑誌に掲載するには見劣りがして読者の興味を惹きつけられない、と編集者に思われているのかもしれません。
ややこしいのは「下手(ヘタ)」と「個性」の違いです。
精密な画風の漫画家さんもいれば、大雑把な画風に見える漫画家さんもいます。
大雑把な画風でも、大胆なタッチが力強さや躍動感を求められる作品に向いたり、力の抜けたコメディ作品にマッチすることもあります。
ただし採用して欲しいと思う雑誌に連載中の作品ぐらいの画力は欲しいところです。
何をもって絵が下手なのかというのは個人的な好みに左右されます。
特に読者に興味を持たれるには、一目で誰が描いたのかが分かるのがベストです。

絵を練習するのなら、あこがれている作品をキャラクターだけでなくコマ割りも含めて原稿用紙にマネして描いてみることです。
アシスタントになったつもりで描いてみるといいでしょう。
もしマネしてうまく描けないのなら画力が足りていない証拠で、面倒に感じるのならとても連載なんてできません。

ストーリーやキャラクターに魅力が無い
画力だけでなく、重要なのはストーリーやキャラクターに魅力があるかどうかです。
編集者(読者)に敬遠されるのは、「ありがち」だったり「先が読める展開」だったり、「既存の作品に似ている」漫画です。
大ヒット作を出した漫画家さん(※もちろんヒット作があるわけだから画力に問題はない)でも連載終了後の数か月後に新作を連載し始めても長続きしなかったりします。
プロ中のプロでも簡単にヒット作を出せないこともあるので、漫画が不採用になることを恐れる必要はありません。

ストーリーやキャラクターなどの設定がうまく噛み合えば、爆発的なヒットにつながります。
芸能界で言えば、カッコイイとかカワイイとか良い外見(画力)であっても、一部のファンを除き世間に注目されるとは限りません。
それが以前からテレビに出ている役者さんでパッとしなかったとしても、人気ドラマ(ストーリー)でハマり役(キャラクター)を演じた途端人気に火が付くようなことがあります。
たくさんのドラマ・映画・漫画など作品を見て、気持ちが揺さぶられる設定・展開やキャラクターを勉強しましょう。

テーマがほかの漫画と似る
『週間少年ジャンプ』には海賊(『ONE PIECE』)や忍者(『NARUTO』)を主人公とした漫画が掲載されています。
その雑誌に海賊や忍者を主人公とした漫画を作って持ち込んだとしても到底採用されません。
自分の描きたい漫画があったとしても、すでに連載中のテーマ(設定)では絶対に採用されません。
また、他社の雑誌の細かな設定に似るのもダメです。
例えば、推理漫画はOKでも、薬を飲まされた青年が子供になって探偵になる、というのは『名探偵コナン』と同じなのでダメです。
つまり、世の中の連載中の作品をたくさん知っておかないと、せっかく作った漫画が別の漫画と酷似して採用してもらえないことになります。

事前に、雑誌に連載されているテーマを書き出して、同じにならないテーマを考えて作品にするしかありません。

ジャンルの枠に空きがない
バトル、恋愛、ギャグ、スポーツなど漫画のジャンルにはいろいろありますが、編集者としては一つの雑誌に様々なジャンルの漫画を入れてメリハリを付けたいと思っています。
少年向け雑誌『週間少年ジャンプ』では「戦う主人公」は多く採用されますが、「ギャグ漫画」の数が「バトル漫画」の数を上回ることはありません。
具体的な数値があるのかは分かりませんが、雑誌のコンセプトに合わせたジャンルごとの採用枠(採用数)があり、これ以上同じジャンルの漫画は増やしたくない、というのがあるかもしれません。
つまり、テーマがかぶらなくても連載中の漫画のジャンルに「枠」があるので、持ち込んだ漫画がかぶるようでは採用されなくなるということです。

これは漫画を持ち込んでみて編集者の反応を見るしかないです。

雑誌のコンセプトと合わない
極端な例として、少年向け雑誌にサラリーマンを主人公とした漫画を掲載しても読者層と合いません。
また、少女マンガ風の絵の描き方を少年向け雑誌に掲載しても同じです。
読者が登場人物に感情移入しづらいので人気を得られません。

まず、掲載して欲しい雑誌の読者層(※性別、年齢、職業)を考えてテーマを作るか、もしくは作った漫画のテーマや自分の画風に合わせた雑誌社に持ち込むようにしましょう。

「テーマ」がかぶると不採用になる確率が高いのはともかく、「ジャンルの枠に空きがない」や「雑誌のコンセプトに合わない」場合は、同じ出版社の別の雑誌にまわしてもらえることもあります。

男子・男性向け

女子・女性向け

募集条件に合っていない
漫画の募集条件に合っていない原稿を送ると当然却下されます。
持ち込みであれば指摘されると思いますが、応募であれば却下された理由がわからずじまいになります。
内容が良かったうえで少しの手直しでどうにかなるのなら、もしかしたら採用にまでこぎつけられるかもしれません。

連載に支障がある
本人や家族の問題など個人的な事情を考慮してもらおうと編集者に話すと連載し続けられるのか不安にさせます。
また、体力的・精神的に続かなそうに思われるのもダメです。
「作者急病のためお休みします」を連発、また打ち切りなんてことにもなりかねません。
黙っておいてあとから問題になるようでは信頼関係を失います。
まず、持ち込みをするまでに連載(漫画を描く作業)に影響の出そうな個人的な問題は解決しておきましょう。
そして普段どれだけ漫画を描いて持久力(体力)や漫画を作った経験があるのかを編集者にアピールすると良いかもしれません。

問題を起こしている
漫画に不適切な表現が含まれていたり、漫画家自身に問題があると採用されません。
例えば、未成年者に好ましくない表現や、特定の誰か(どこか)のイメージを損なう表現などは敬遠されます。
問題があれば、編集者会議のすえ採用を見送られたり、印刷所でストップしたり、自主回収騒ぎになります。

お役立ちサイト


情報

漫画賞

おすすめ

ポイント


これまでの制作数は?
重要なのは年数より原稿用紙を使って一つの漫画を完成させたことがいくつくらいあるのか?という点です。
イラスト(一枚だけの絵)を描き続けていた、というのは漫画を作ったのとは違います。
  • モノクロ・カラー原稿の制作数(現在の技量)
  • 同人誌の販売部数・WEB漫画のPV数(素人の評価)
  • 持ち込み・応募の結果(プロの評価)
  • アシスタント歴・連載歴(実践的な経験量)

何日くらいで作った?
漫画の作成に時間が掛かりすぎると連載するのに支障が出ます。
細部までの描き込みや美麗なカラー原稿でも、描くのに時間がかかり過ぎると編集者を不安にさせます。
同人誌などを作って締め切りまでに間に合わせる責任感やスピード感などを身に着けるといいでしょう。

その他
上記のように、漫画出版社のサイトにはQ&Aページが用意されていることがあります。
出版社ごとの対策としてサイト(ページ)を探してみるといいでしょう。

作品に求められる基準(推定)


編集者
  • 読み応え(原稿を読んで面白いと思うかどうか)
  • 好み・価値基準(編集者の感性や価値基準で漫画の画風・設定・展開などを良いとするか悪いとするか)
  • 許容範囲(編集者の価値基準で漫画の表現が良いとするか悪いとするか)
  • 編集部内の採決(複数の編集者や編集長との会議で採用するかどうか)
※編集者が否定しなかった(許可した)表現だとしても、世間の批判を受けて漫画が自主回収になることもあります。

雑誌
  • 募集条件(募集条件に当てはまるかどうか)
  • 画力(雑誌に掲載できる画力かどうか)
  • 画風(雑誌の読者層に合うかどうか)
  • ジャンル(雑誌の読者層に合うかどうか)
  • テーマ(雑誌の読者層に合うかどうか)
  • 許容範囲(読者層を踏まえて雑誌の自主的な基準に合うかどうか)
  • バランス(連載中・選考中・過去の作品・ライバル誌の漫画とバランスがとれるかどうか)

出版社
  • 許容範囲(社会的な価値基準に当てはまるかどうか、利害関係者へ影響があるかどうか)
※表現に問題があれば掲載、印刷、出版を止められ、場合によっては打ち切りになります。

読者
  • 読み応え(漫画を読んで面白いと思うかどうか)
  • 好み(漫画の画風・設定・展開などが自分の感性に合うかどうか)
  • 利用媒体(いつも利用している媒体かどうか)
  • 許容範囲(法律や道徳的な価値基準に当てはまるかどうか)
※表現に問題があればネットで騒ぎになります。

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編集者は意地悪?


編集者さんに漫画原稿を読んでもらったときにアドバイスを受けると思います。
ダメなところはズバズバ指摘されるのに、どこをどうしたら良いのかは具体的に教えてくれません。自分で考えるように言われると思います。なぜなら、漫画を作るのは編集者ではなく、あなただからです。
出版社は学校ではないので細かくは教えてくれません。何をどうすれば良いのか?「考える能力を持った人」を編集者は待っています。

編集者はあくまで漫画家の能力を引き出すために存在するので、物事の良し悪しの見極めやアイデアは漫画を作るあなた自身が考える必要があります。
つまり、どこをどうしたら良いのか?の問いに対して自分で答えを出せるようでなければ、編集者さんのアドバイスはキツイ印象を受けると思います。

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