ネタ番組で観客を映す理由

バラエティー番組やネタ番組でお笑いタレントさんや芸人さんがネタをしている時やボケた時に、観客席を映し出しているのを
見かけたことはないでしょうか?
映し出す理由について分析してみました。

仕組み


共感
番組中に観客を映す仕組みには「ミラーニューロン」を利用している可能性があります。
詳しく説明すると難しいので簡単に説明すると、「人間は、他人がしている行動を見ると自分も同じ感覚になる」らしいのです。

例えば、親友が泣いているのを見ると「もらい泣き」。
人が「あくび」をしているのを見ると、あくびがうつります。
野球の珍プレーの映像中に、ボールが股間に命中するのを見ると男性は痛い感覚に襲われます(笑)。
つまり、ボケた後に笑っている観客を映し出すことによって視聴者を「釣る」ことができます。
要は、視聴者は「釣られて笑ってしまう」と言うことです。
(※すぐに釣られて笑うというより、面白さを感じる感覚が高揚するのだと思います。

また、「笑っている人に対して感情移入ができる」「釣られる側がある程度の心理状態にある」ことが必要になってくると思います。)
もちろん、人によって違い、特に、赤ちゃんを育てるときに少しの変化にも同調することで子育てを円滑に図る必要がある女性。また、思考力が未発達なため、理性的な考えをせずに、他者に同調しやすい子供ほど効果が大きいと思われます。

同調
誰も笑っていないときに自分も笑っていなければ、それは面白くない内容と判断します。
しかし、たくさんの誰かが笑っているときに自分だけ笑っていなければ、それは例え自分としては面白くなかったとしても多数の人が笑っていれば面白いものと錯覚してしまうことが起きているのかもしれません。

相乗効果
自分(視聴者)が笑っている時に観客が笑っていると相乗効果が生まれ、笑いが倍増する可能性があります。
ただでさえ自分が笑っている時に観客の笑顔を見ると、高揚感が極度に高まりやすい状態になっているのかもしれません。

マンネリ防止
番組中に同じ出演者ばかり映していると絵的に単調になり、視聴者は飽きてきます。
そこで出演者とは別の人物である観客を映し、視聴者が飽きてしまわないようにしている可能性があります。

人気者
メインの企画・出演者とは別に、ゲストとして来ている人気者を時々映すことにより、視聴者にチャンネルを変えさせないようにする。

男性視聴者対策
画面上に男性の出演者ばかり映すようでは男性の視聴者は興味を持ってくれません。
(若い)(肌の露出のあるファッションの)女性観客を映すことで、女性に興味のある男性視聴者を惹きつけることができます。

おまけ
番組でスタッフや観客の「笑い声」が入っているのも、ここまで読んでいただいた理由と同じです。
観客の笑顔が視覚に訴える効果があるのであれば、笑い声は聴覚に訴える効果があります。
ただし、出演者に気分良く話してもらいたいためにスタッフによる「ヨイショ笑い(※出演者をスベらさないよう気を使って笑う)」の場合もあります。

画面・音声の手法


画面
  • 出演者より画面奥に観客席を設置し、観客の反応を映す
  • 画面の端にワイプ(別画面)を表示し、出演者の反応を映す
  • 画面を別の場所で撮影している画面に切り替え、出演者や観客の反応を映す

音声
  • 無音を防ぐ(※音がなくて地味になるのを防げる)、誘い笑い(※観客や視聴者に対して笑いを誘い掛ける)、ヨイショ笑い(※前述)などのためにスタッフの笑い声を入れる
  • 笑い声をあげる仕事をしている人を観客席に入れる(※「やらせ」ではなく「仕事」として成立している)
  • スタッフや芸人さんが番組撮影・放送前に前説をして、観客に対して盛り上がり方を練習させる
  • 出来上がったVTRをモニター(募集した一般人)に見てもらって反応を録音・録画し、その音声や映像をVTRと合わせて放送する

出演者
  • VTRを視聴中にワイプでスタジオにいる出演者の顔が映されていることを見越して、リアクションをする(※例えば、グルメ映像ならば「おいしそう」と、音声を拾われている拾われていない関係なく、口を動かして「言っている動き」を作る)

撮影について


カメラのスイッチング
漫才の大会の『M-1グランプリ』のカメラのスイッチング(画面の切り替え)が不評なようです。
漫才だけを見ていたい視聴者にとっては、観客を映す意味を感じないのでしょう。
番組として視聴率をとるためにも観客を映す必要がある訳で、「一部の視聴者」に良く思われなくても、「大多数の視聴者」に観客を映す効果があるのであればそちらを優先しているのでしょう。

Mステのオープニングの観客席
Mステ(ミュージックステーション)の番組制作スタッフは、視聴者が歌手の背後も見ていることを意識していると思われます。
視界に入るものすべてが目から脳に送られているかぎり、たとえ歌手に視線を合わしていても、それ以外も視界の中に入り、周囲にあるものも気になった結果、歌手と背景の相乗効果が起きます。
例えば、サッカーや野球などのスポーツ中継で、「満員の観客入りの試合」と「無観客の試合」とではどちらが見ていて盛り上がるでしょうか?
答えは明白で、「満員の観客入りの試合」では試合自体のゲーム展開の興奮度が観客の盛り上がりによって視聴者は把握できます。
背景が「ある」と「ない」では同じ試合でもまったく別の映像になってしまうことでしょう。もちろん映像だけでなく観客の歓声も同様です。
そこでMステでは、歌手が降りてくる階段の横に観客を座らせることで、歌手と間近で会えて盛り上がっている観客を映すことにより、視聴者側にも興奮が伝わるようなオープニングにしていると思われます。
あっ!ちなみに。Mステのオープニングって番組ロゴが出ているときに観客の「キャ―――!」って歓声が聞こえるのって面白いですよね?

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